【完全解説】モルタルの浮き・剥落の原因と補修方法|放置の危険性から費用、業者選びまで

「自宅のモルタル外壁、なんだか少し膨らんでいる気がする…」「壁の一部がポロポロと剥がれ落ちてきたけど、このまま放置しても大丈夫だろうか?」

大切なお住まいの外壁にこのような変化を見つけ、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、40代の働き盛りで、ご家族との大切な時間を過ごす家だからこそ、その安全性は決して疎かにできません。

この記事では、モルタル外壁に発生する「浮き」や「剥落」について、その根本的な原因から、放置した場合の深刻なリスク、具体的な補修方法、そして気になる費用相場まで、専門的な情報を分かりやすく徹底解説します。

この記事を最後までお読みいただければ、ご自宅の状況を正しく把握し、最善の対策を講じるための知識がすべて手に入ります。ぜひ、安心できる住まいを守るための第一歩としてご活用ください。


モルタルの「浮き」「剥落」とは?放置する3つの危険性

この章では、まず「浮き」と「剥落」という症状の基本的な違いを理解し、それを放置することがいかに危険であるか、3つの具体的なリスクを通じて明らかにします。この知識は、問題の緊急性を判断し、迅速な対応を促すための第一歩となるでしょう。

そもそも「浮き」と「剥落」の違いは?

まず、二つの言葉の違いを正確に理解しておくことが重要です。

  • 浮き: モルタルが下地(コンクリート躯体など)から剥離し、内部に隙間ができている状態を指します。外観上は少し膨らんで見える程度で、まだ表面には現れていない初期症状です。しかし、内部ではすでに接着力を失っている危険なサインと言えるでしょう。
  • 剥落(はくらく): 「浮き」が進行し、モルタルの破片が実際に壁から剥がれ落ちてしまう状態です。ここまで進行すると、見た目の問題だけでなく、後述するような重大なリスクに直結します。

つまり、「浮き」は剥落の前兆であり、この段階で対処することが被害を最小限に食い止める鍵となります。

危険性1:第三者への被害と損害賠償リスク

最も恐ろしいリスクが、剥落したモルタルの塊が通行人や隣家の所有物に被害を与えてしまうケースです。たとえば、強風が吹いた日や地震の際に、数キログラムにもなるモルタルの塊が落下し、下を歩いていた人に当たって大怪我をさせてしまう可能性もゼロではありません。

実際に、外壁の落下物による人身事故は後を絶たず、建物の所有者は民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)に基づき、多額の損害賠償責任を問われる可能性があります。ご家族の安全を守るはずのマイホームが、他人を傷つけ、経済的な大打撃を被る原因になってしまうことは、何としても避けなければなりません。

危険性2:雨漏りによる建物内部の劣化

モルタルの浮きや剥落は、建物の防水機能を著しく低下させます。浮きによって生じた隙間や、剥落した箇所から雨水が浸入すると、壁の内部は常に湿った状態になります。

その結果、以下のような深刻な二次被害を引き起こす可能性があります。

  • 内部鉄筋の錆と膨張: コンクリート内部の鉄筋が錆びると体積が膨張し、さらに内側からモルタルを押し出して剥落を加速させます。
  • 断熱材の腐食: 断熱材が水分を含むと機能が低下し、夏は暑く冬は寒い家になってしまいます。
  • 木材(柱や梁)の腐食: 構造上重要な木材が腐食すると、建物の耐震性が大幅に低下し、大規模な修繕が必要になることも考えられます。

雨漏りは、気づいた時には内部で深刻なダメージが進行しているケースが多く、補修費用も高額になりがちです。

危険性3:資産価値の大幅な低下

言うまでもなく、外壁がボロボロに剥がれ落ちた家は、見た目が著しく損なわれます。これは単なる美観の問題だけではありません。将来、ご自宅を売却する際に、建物の資産価値が大幅に低下する直接的な原因となります。

不動産の査定では、外壁の状態は非常に重要なチェックポイントです。モルタルの剥落は「維持管理が適切に行われていない物件」と見なされ、査定額から数十万、場合によっては数百万円単位で減額されることも十分に考えられます。適切なメンテナンスは、お住まいの資産価値を守る上でも不可欠なのです。

これらのリスクを理解すると、モルタルの浮きや剥落がいかに緊急性の高い問題であるかがお分かりいただけるでしょう。では、なぜこのような危険な状態が発生してしまうのでしょうか。次の章では、その根本的な原因を詳しく掘り下げていきます。


なぜ起こる?モルタルの浮き・剥落を引き起こす5つの原因

この章では、モルタルの浮きや剥落を引き起こす5つの主要な原因を専門的に解説します。ご自宅の外壁がどの原因に当てはまる可能性があるかを考えることで、より具体的な対策を検討する手助けとなるでしょう。

原因1:経年劣化による付着力の低下

最も一般的な原因が、時間の経過による「経年劣化」です。モルタル外壁は、太陽の紫外線、風雨、気温の変化といった過酷な環境に常に晒されています。これにより、モルタル自体や、下地とモルタルを接着している層が徐々に劣化し、付着力が低下していくのです。

一般的に、モルタル外壁の耐用年数は約20年〜30年とされていますが、立地環境や施工品質によっては、築10年を過ぎたあたりから浮きなどの初期症状が見られ始めることも少なくありません。定期的な点検とメンテナンスが、経年劣化によるリスクを管理する上で極めて重要です。

原因2:ひび割れからの雨水侵入と内部鉄筋の錆

モルタル表面に発生した「ひび割れ(クラック)」も、浮きや剥落の大きな引き金となります。

  1. 雨水の侵入: 幅0.3mm以上のひび割れから雨水が壁の内部に侵入します。
  2. 鉄筋の錆: 侵入した水分と空気がコンクリート内部の鉄筋に触れることで、錆が発生します。
  3. 体積膨張: 鉄筋は錆びることで体積が約2.5倍にも膨れ上がると言われています。
  4. 内部からの破壊: 膨張した鉄筋が内側からモルタルを押し出す力(爆裂)となり、浮きや剥落を引き起こします。

この現象は「爆裂(ばくれつ)」と呼ばれ、特に建物の構造体そのものにダメージを与える非常に危険な劣化症状です。

原因3:施工時の不備や材料の選定ミス

残念ながら、新築時や前回の補修時の施工不良が原因であるケースも存在します。具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • 下地処理の不備: 下地の清掃が不十分であったり、プライマー(接着剤の役割を果たす下塗り材)の塗布が適切でなかったりすると、モルタルの付着力が十分に発揮されません。
  • 材料の配合ミス: モルタルを作る際のセメント、砂、水の配合比率が不適切だと、強度が不足したり、乾燥収縮が大きくなりすぎてひび割れの原因となります。
  • 乾燥時間の不足: 各工程で定められた乾燥時間を守らずに次の工程に進むと、層間の付着不良を引き起こします。

これらの施工不良は、数年経ってから症状として現れることが多く、原因の特定が難しい場合もあります。

原因4:地震や振動による躯体への影響

日本は地震大国であり、大きな地震の揺れによって建物全体が歪み、外壁に強い力がかかることで浮きや剥落が発生することがあります。一度の大きな地震だけでなく、交通量の多い道路沿いや線路沿いの建物では、日常的な細かい振動が長年にわたって蓄積し、じわじわとダメージを与えている可能性も考えられるでしょう。

地震や振動は避けられない要因ですが、定期的な点検で初期症状を発見し、被害が広がる前に対処することが大切です。

原因5:凍害(内部の水分凍結)による膨張

特に寒冷地で注意が必要なのが「凍害(とうがい)」です。これは、ひび割れなどからモルタル内部に侵入した水分が、冬場の低温で凍結と融解を繰り返すことで発生します。

水は凍って氷になると体積が約9%膨張します。この膨張する力が内部からモルタル組織を破壊し、表面を脆くさせ、剥落を引き起こすのです。凍害は、ゆっくりとですが確実に建物の寿命を縮めていく、静かなる脅威と言えるでしょう。

これらの原因に心当たりはありますか?専門業者に本格的な調査を依頼する前に、ご自身で安全にできる初期チェックの方法があります。次の章で詳しくご紹介します。


DIYは危険!自分でできる初期症状のチェック方法(打診調査)

この章では、専門家に相談する前段階として、ご自身で安全に外壁の状態をチェックする方法を解説します。ただし、高所での作業は絶対に避け、あくまで初期症状の発見に留めることが重要です。

打診調査で確認すべき音の違い

外壁の「浮き」を発見する最も基本的な方法が「打診調査」です。これは、壁を軽く叩いて、その音の違いから内部の状態を推測する方法です。

  • 準備するもの: 打診ハンマー(ホームセンターなどで入手可能ですが、なければ先の丸いドライバーの柄などでも代用できます)
  • 調査方法: 手の届く範囲の外壁を、50cm四方に1箇所程度の割合で優しく叩いていきます。

音の違いに注意してください。

  • 正常な音: 「コンコン」「コツコツ」といった、硬く詰まったような音がします。これは、モルタルが下地にしっかりと密着している証拠です。
  • 浮きが疑われる音: 「ボンボン」「ポコポコ」といった、空洞があるような鈍く軽い音がします。この音が聞こえたら、その部分でモルタルが浮いている可能性が高いと考えられます。

複数の箇所で音を比較してみることで、違いが分かりやすくなるでしょう。

目視でわかる危険なサインとは?

音だけでなく、目で見てわかる危険なサインもいくつかあります。

  • ひび割れ(クラック): 髪の毛ほどの細い「ヘアークラック」は緊急性が低い場合もありますが、名刺の厚み(約0.3mm)以上のひび割れは雨水侵入の危険性が高いため要注意です。
  • 塗膜の膨れ・剥がれ: 塗装が風船のように膨れていたり、パリパリと剥がれていたりする場合、その下でモルタルの浮きが進行している可能性があります。
  • エフロレッセンス(白華現象): 壁の表面に白い粉のようなものが付着している状態です。これは内部に侵入した雨水が、セメントのアルカリ成分を溶かして表面に現れたもので、内部に水分が回っているサインです。
  • 錆汁(さびじる): ひび割れ部分から茶色い筋のような汚れが出ている場合、内部の鉄筋が錆びている可能性が非常に高く、緊急の対応が必要です。

安全な調査範囲と専門業者に依頼すべきケース

ご自身でチェックを行う際は、必ず以下の点を厳守してください。

  • 調査は1階部分の手の届く範囲のみに限定してください。
  • 絶対に脚立やはしごを使って高所の調査をしないでください。転落事故の危険性が非常に高いです。
  • 打診調査で強く叩きすぎないでください。劣化が進んでいる場合、叩いた衝撃で剥落を誘発する恐れがあります。

少しでも「おかしいな」と感じる箇所があったり、2階以上の壁の状態が気になったりする場合は、迷わず専門業者に詳細な調査を依頼しましょう。専門家は赤外線カメラやドローンなども活用し、安全かつ正確に建物全体の診断を行ってくれます。

もしご自宅のチェックで異常の可能性が見つかった場合、どのような補修工事が行われるのでしょうか。次の章では、症状別に具体的な補修方法とその流れを詳しく見ていきましょう。


【症状別】モルタルの浮き・剥落の主な補修方法と工事の流れ

この章では、モルタルの浮きや剥落に対して、実際にどのような補修工事が行われるのかを具体的に解説します。症状のレベルによって工法が異なるため、ご自宅の状態と照らし合わせながら読み進めることで、工事内容を具体的にイメージできるでしょう。

比較的小規模な「浮き」の場合:エポキシ樹脂注入工法

打診調査で「浮き」が確認されたものの、まだ表面に大きなひび割れや剥落がない場合に用いられる代表的な工法です。

  • 工法の概要: モルタルの浮いている部分に小さな穴を開け、そこから接着剤の役割を果たす「エポキシ樹脂」を注入します。これにより、下地と浮いたモルタルを内部から強力に再接着させます。
  • ステップバイステップ:
    1. 打診調査: 浮いている範囲を正確に特定します。
    2. 穿孔(せんこう): 浮き部分に、直径10mm程度のドリルで穴を開けます。
    3. 清掃: 穴の中のホコリやゴミをブロワーなどで吹き飛ばし、接着力を高めます。
    4. 樹脂注入: 専用の注入器を使い、低圧でゆっくりとエポキシ樹脂を隙間に充填します。
    5. ピンニング: 注入後、ステンレス製のピンを差し込んで物理的に固定し、強度を高めることもあります(アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法)。
    6. 仕上げ: 穴をモルタルで埋め戻し、周囲と馴染むように塗装して完了です。

この工法は、既存の壁を壊さずに補修できるため、比較的費用を抑えられ、工事期間も短いのが特徴です。

ひび割れを伴う場合:Uカットシーリング工法

0.3mm以上のひび割れがあり、そこからの雨水侵入が懸念される場合に用いられます。エポキシ樹脂注入工法と併用されることも多い工法です。

  • 工法の概要: ひび割れに沿って電動カッターでU字型(またはV字型)の溝を掘り、その溝に伸縮性の高いシーリング材を充填します。これにより、雨水の侵入を確実に防ぎ、建物の動きにも追従してひび割れの再発を防ぎます。
  • 目的: 主な目的は防水性の回復です。ひび割れを単に埋めるだけでなく、溝を作ることでシーリング材の厚みを確保し、長期的な防水性能を維持します。

広範囲の「剥落」の場合:左官補修(モルタル塗り替え)

すでにモルタルが剥がれ落ちていたり、浮きの範囲が広大であったりする場合には、部分的な補修では対応できません。その際は、劣化したモルタルを一度すべて取り除き、新しく塗り直す大掛かりな補修が必要となります。

  • 工法の概要: 既存の劣化したモルタル層をハンマーやハツリ機で完全に除去(ケレン)します。その後、下地を清掃・調整し、新しいモルタルを左官職人が塗り直していく工法です。
  • 特徴: 根本的な解決策であり、壁の強度や防水性を新築時に近い状態まで回復させることができます。ただし、工事範囲が広くなるため、費用や工期は他の工法に比べて大きくなります。

補修工事の基本的な流れと期間

一般的な補修工事は、以下の流れで進められます。

  1. 問い合わせ・相談: まずは専門業者に連絡し、現状を伝えます。
  2. 現地調査: 業者が実際に訪問し、建物の状態を詳細に診断します。
  3. 見積もり提出: 調査結果に基づき、最適な工法と詳細な見積もりが提示されます。
  4. 契約: 工事内容、金額、工期、保証内容に納得できれば契約を結びます。
  5. 近隣挨拶: 工事開始前に、業者が近隣住民へ挨拶回りを行います。
  6. 足場設置: 2階以上の高所作業がある場合は、安全確保のために足場を組みます。(約1日)
  7. 施工: 計画に沿って補修工事を実施します。(工事内容により数日〜3週間程度)
  8. 検査・完了: 施工箇所の最終チェックを行い、問題がなければ完了です。
  9. 足場解体・引き渡し: 足場を解体し、清掃を行ってお客様に引き渡します。

小規模な補修であれば数日で終わりますが、足場を組むような大規模な工事になると、全体で2週間〜1ヶ月程度の期間を見ておくと良いでしょう。

工事内容がわかったところで、次に最も気になる費用について、具体的な相場を交えながら解説していきます。


モルタルの補修にかかる費用相場は?工事内容別に解説

この章では、モルタル補修にかかる費用の具体的な相場を解説します。予算計画を立てる際の重要な指標となりますので、しっかりと確認していきましょう。

補修方法別の費用単価(樹脂注入・左官など)

費用は、劣化の症状や範囲、建物の状況によって大きく変動しますが、一般的な単価の目安は以下の通りです。

補修方法費用単価の目安備考
エポキシ樹脂注入工法2,000円~5,000円 / 箇所浮きの大きさやピンの有無で変動
Uカットシーリング工法1,000円~3,500円 / mひび割れの幅や深さで変動
左官補修(モルタル部分補修)5,000円~15,000円 / ㎡既存モルタルの除去費用を含む
左官補修(モルタル全面塗り替え)8,000円~20,000円 / ㎡下地の状況により大きく変動
打診調査・診断費用30,000円~100,000円 / 式見積もり時は無料の業者も多い

成功事例のご紹介

東京都にお住まいの佐藤様(仮名)は、築15年のご自宅の壁に複数のひび割れと一部膨らみを発見。専門業者による打診調査の結果、約10㎡にわたるモルタルの浮きが確認されました。エポキシ樹脂注入工法とUカットシーリング工法を併用し、補修費用は約15万円。外壁塗装も同時に実施したため足場代は共通で利用でき、効率的に建物の寿命を延ばすことができました。

足場の設置が必要な場合の追加費用

補修箇所が2階以上にある場合や、広範囲にわたる場合は、作業の安全性と品質を確保するために足場の設置が必須となります。足場費用は、工事費全体の中でも大きな割合を占める要素です。

  • 足場費用の相場: 800円~1,500円 / ㎡(足場を架ける面積)
  • 一般的な30坪の住宅の場合: 約15万円~25万円

足場代は決して安くありませんが、安全な作業のためには不可欠な投資です。どうせ足場を組むのであれば、外壁塗装や屋根の点検など、他のメンテナンスも同時に行うことで、長期的に見てコストパフォーマンスを高めることができます。

費用を抑えるためのポイントと注意点

賢く費用を抑え、満足のいく工事を行うためには、いくつかのポイントがあります。

  • 相見積もりを取る: 必ず2~3社以上の業者から見積もりを取り、内容と金額を比較検討しましょう。単に安いだけでなく、なぜその金額になるのか、工事内容が適切かを見極めることが重要です。
  • 火災保険の適用を確認する: モルタルの浮き・剥落の原因が、台風、強風、雪、雹(ひょう)などの自然災害によるものと認定された場合、火災保険(風災補償など)が適用される可能性があります。被害を受けたら、まずはご加入の保険会社に相談してみましょう。
  • 助成金・リフォーム補助金の活用: お住まいの自治体によっては、住宅リフォームに関する助成金や補助金制度を設けている場合があります。省エネ改修などと組み合わせることで適用されるケースもあるため、自治体のホームページなどで確認してみることをお勧めします。

失敗回避策:安さだけの業者選びは危険

「他社より圧倒的に安い」という見積もりには注意が必要です。必要な工程を省いたり、質の悪い材料を使ったりすることで、数年後に再発し、結果的に余計な費用がかかってしまうケースが後を絶ちません。見積もりの内訳を詳細に確認し、安さの理由を明確に説明できない業者は避けるのが賢明です。

適正な費用で質の高い工事を実現するためには、信頼できる業者選びが何よりも不可欠です。最後の章では、失敗しない業者選びの重要なポイントを3つに絞って解説します。


失敗しない!信頼できる補修業者の選び方3つのポイント

この章では、大切な住まいの補修を安心して任せられる、信頼できる業者を見つけるための具体的なチェックポイントを3つご紹介します。この基準をもとに業者を比較検討すれば、後悔のない選択ができるはずです。

ポイント1:建設業許可や有資格者の在籍を確認する

専門性と信頼性を客観的に判断する上で、許認可や資格の有無は非常に重要な指標です。

  • 建設業許可: 請負金額が500万円以上の工事を行う場合に必須となる許可ですが、これを持っている業者は、経営面や技術面で一定の基準をクリアしていることの証明になります。許可の有無は会社のウェブサイトや見積書で確認しましょう。
  • 有資格者の在籍: 一級建築士、1級建築施工管理技士、外壁診断士などの国家資格や公的資格を持つ専門家が在籍しているかどうかも確認しましょう。資格者が診断や施工管理を行うことで、より専門的で質の高い工事が期待できます。

これらの情報は、企業の信頼性を測るための基本的なチェック項目と心得てください。

ポイント2:詳細な見積もりと分かりやすい説明があるか

誠実な業者は、見積もりと説明が丁寧で分かりやすいという共通点があります。

  • 詳細な見積書: 「工事一式 〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、「足場設置(〇㎡)」「高圧洗浄(〇㎡)」「エポキシ樹脂注入(〇箇所)」「左官補修(〇㎡)」のように、工事内容、数量、単価、材料名が明確に記載されているかを確認してください。内訳が詳細であるほど、透明性の高い業者であると言えるでしょう。
  • 分かりやすい説明: 現地調査の際に撮影した写真などを見せながら、なぜこの補修が必要なのか、なぜこの工法を選ぶのか、専門用語を多用せず、素人である homeowner にも理解できるように説明してくれる業者を選びましょう。あなたの疑問や不安に真摯に耳を傾けてくれる姿勢も重要です。

ポイント3:施工実績と保証内容を確認する

過去の実績と未来への保証は、その業者の技術力と責任感を示す重要な証拠です。

  • 施工実績: 会社のウェブサイトなどで、ご自宅と似たようなモルタル外壁の補修実績が豊富にあるかを確認しましょう。具体的な事例写真やお客様の声が掲載されていれば、より信頼性が高まります。
  • 保証内容(アフターサービス): 工事が完了したら終わり、ではありません。工事後に不具合が発生した場合に備え、どのような保証があるかを確認することが不可欠です。「工事保証書」を発行してくれるか、保証期間は何年か、どのような不具合が保証の対象となるのかを、必ず契約前に書面で確認してください。口約束はトラブルの元です。

よくある質問 Q&A

Q. 保証期間はどのくらいが目安ですか?

A. 工事内容によって異なりますが、例えばエポキシ樹脂注入や左官補修などの場合、3年~10年程度の保証が付くのが一般的です。保証期間だけでなく、保証の範囲(何が対象になるか)もしっかりと確認することが大切です。

これらの3つのポイントを総合的に判断することで、技術力と誠実さを兼ね備えた、信頼できるパートナーを見つけることができるでしょう。


まとめ:モルタルの浮き・剥落は早めの専門家相談が重要

この記事では、モルタルの浮き・剥落について、その危険性から原因、補修方法、費用、そして信頼できる業者の選び方までを網羅的に解説してきました。

最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • 危険性: モルタルの浮き・剥落は、第三者への加害リスク、雨漏りによる建物劣化、資産価値の低下という3つの深刻な危険をはらんでいます。
  • 原因: 主な原因は経年劣化ですが、ひび割れからの雨水侵入、施工不良、地震、凍害など、複数の要因が絡み合って発生します。
  • チェック方法: 手の届く範囲の打診調査で「ボンボン」という音がしたら要注意。高所の確認は絶対に専門家に任せましょう。
  • 補修方法: 症状に応じてエポキシ樹脂注入、Uカットシーリング、左官補修などの工法が選択されます。
  • 費用: 工法や範囲によって大きく異なりますが、足場が必要な場合は15万円以上の追加費用がかかることを念頭に置きましょう。
  • 業者選び: 「許可・資格」「詳細な見積もり」「実績・保証」の3点が、信頼できる業者を見極める鍵です。

モルタル外壁の浮きや剥落は、決して「見た目だけの問題」ではありません。それは、お住まいが発している重大なSOSサインです。放置すればするほど、劣化は進行し、補修費用はかさみ、安全性は損なわれていきます。

「まだ大丈夫だろう」という自己判断が、最も危険な選択かもしれません。

少しでも気になる症状を見つけたら、まずは専門家による無料診断を受けて、お住まいの状態を正確に把握することから始めてみませんか?早期発見・早期対応が、あなたの大切なご家族と資産を守るための最も確実で、最もコストを抑えられる方法です。

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