「マンションでも断熱リフォームはできるの?」
実はマンションの断熱リフォームは、戸建てとは少し考え方が異なります。マンションでは、外壁や窓などが「共用部分」とされていることが多く、自由に工事できない場合があります。
そのため、専有部分でできる断熱対策を選ぶことがポイントです。

この記事を書いた人

川井田 修二
住宅メンテナンス診断士
住宅業界に20年以上携わり、現在は戸建住宅の資産管理サービス「家メンテ」に従事。定期的な住宅診断やメンテナンス、履歴管理を通じて、住まいの劣化を防ぎながら資産価値を守るサポートを行っています。人生最大の資産ともいわれる「家」を長く安心して住み続けられるよう、住宅の維持管理の視点から情報発信を行っています。

目次

マンションと戸建ての断熱の違い

マンションは、上下左右を他の住戸に囲まれている中間階・中間部屋なら、外気に接する面が少ないため、戸建てより熱が逃げにくい傾向があります。

一方で、

  • 最上階 → 屋上からの暑さ・寒さ
  • 1階・最下階 → 床からの冷気
  • 角部屋 → 外壁に接する面が多い
  • 古いマンション → 窓や壁の断熱性能が低い

など、住戸の位置によって弱点が変わります。

そのため、マンションでは「どの部分から熱が出入りしているか」を確認することが大切です。


マンションでできる主な断熱リフォーム

① 内窓の設置

マンションで特に取り入れやすいのが内窓(二重窓)です。

既存の窓の内側にもう一枚窓を設置することで、窓からの熱の出入りを抑えます。

冬の冷気や結露対策だけでなく、夏の暑さ対策にも効果が期待できます。

比較的短時間で施工できることもメリットです。

② 内壁の断熱

外壁側の壁の内側に断熱材を施工する方法です。

外壁そのものを変更できないマンションでも、室内側から断熱性能を高められます。

ただし、壁が厚くなることで部屋が少し狭くなる点には注意が必要です。

③ 床の断熱

床下からの冷気が気になる場合は、床の断熱も選択肢になります。

特に1階や最下階の住戸では、足元の冷え対策として効果を実感しやすい場合があります。

④ 天井の断熱

最上階では、屋上から伝わる熱の影響を受けやすいため、天井側の断熱が有効です。

夏の室温上昇を抑える対策として検討できます。


マンションの断熱リフォームで重要な「管理規約」

戸建てとの大きな違いが、管理組合との調整が必要になることです。

マンションでは、外壁・サッシ・玄関ドア・バルコニーなどが共用部分として扱われることがあります。

そのため、

「自分の部屋だから自由に工事できる」

とは限りません。

工事前には必ず、

  • 管理規約
  • 使用細則
  • リフォーム工事の申請方法
  • 工事可能な時間帯
  • 床の遮音性能に関する規定

などを確認しましょう。

内窓や室内側の断熱工事でも、届出が必要な場合があります。


戸建てより「窓の断熱」が重要になることも

マンションでは外壁や屋根を自由に断熱できないため、まず窓から対策するのもおすすめです。

特に古いマンションで単板ガラスや古いアルミサッシが使われている場合、内窓を設置することで断熱性能の改善が期待できます。

「部屋全体をリフォームするのは大変」という場合でも、まずリビングや寝室の窓から始める方法があります。


築年数や住戸の位置で対策は変わる

マンションの断熱性能は、築年数や構造、住戸の位置によっても異なります。

例えば、

築年数が古いマンション
→ 窓や壁の断熱対策を優先

最上階
→ 天井・窓の対策を検討

1階・最下階
→ 床・窓の対策を検討

角部屋
→ 外壁側の壁・窓を重点的に確認

というように、住まいの状況に合わせて優先順位を決めることが大切です。


マンション断熱リフォームの費用目安

工事内容費用目安
内窓設置3~10万円程度/窓
内壁断熱15~40万円程度/部屋
床断熱30~70万円程度
天井断熱25~60万円程度

※費用は施工範囲や使用する材料、住宅の状態などによって異なります。


補助金も確認しましょう

窓の断熱改修などは、国や自治体の補助制度の対象になる場合があります。

マンションの専有部分でも利用できる制度があるため、リフォームを検討する際は工事前に利用できる補助金を確認することがおすすめです。

補助制度によっては申請時期や対象となる製品・工事が決められているため、早めの確認が重要です。


マンションの断熱リフォームで失敗しないために

断熱リフォームを成功させるポイントは、いきなり工事を始めないことです。

まずは、

  1. 管理規約を確認する
  2. 現在の断熱状態をチェックする
  3. 熱が逃げている場所を把握する
  4. 優先順位を決める
  5. 補助金を確認する
  6. マンション施工の実績がある業者に相談する

という順番で進めると安心です。


まとめ

マンションの断熱リフォームは、戸建てのように外壁や屋根を自由に工事できないという制約があります。

だからこそ、

「できる場所から、効果の高い対策を行う」

ことが重要です。

特に内窓は比較的取り入れやすく、断熱・結露・冷暖房効率の改善をまとめて考えられる方法です。

「冬に窓際が寒い」「夏に部屋が暑い」「結露が気になる」といった症状があるなら、
まずは現在の住まいの断熱状態を確認することから始めてみましょう。

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