
「断熱リフォームをしたいけれど、どのくらい費用がかかるかわからない」
そんな方に向けて、窓・壁・床・天井など、施工箇所ごとの費用目安をわかりやすく紹介します。
この記事を書いた人

川井田 修二
住宅メンテナンス診断士
住宅業界に20年以上携わり、現在は戸建住宅の資産管理サービス「家メンテ」に従事。定期的な住宅診断やメンテナンス、履歴管理を通じて、住まいの劣化を防ぎながら資産価値を守るサポートを行っています。人生最大の資産ともいわれる「家」を長く安心して住み続けられるよう、住宅の維持管理の視点から情報発信を行っています。
断熱リフォームは、数万円でできる窓の部分改修から、住宅全体を見直す数百万円規模の工事まで幅があります。大切なのは、最初からすべてを改修するのではなく、住まいの状態や予算に合わせて優先順位を決めることです。
断熱リフォームの費用相場一覧
まずは、主な断熱リフォームの費用目安を見てみましょう。
| 施工箇所 | 主な工事内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 窓 | 内窓の設置 | 3〜10万円/窓 |
| 窓 | ガラス交換 | 2〜8万円/窓 |
| 窓 | 断熱サッシへの交換 | 8〜20万円/窓 |
| 外壁 | 断熱材の追加・改修 | 50〜300万円程度 |
| 床 | 床下断熱 | 20〜60万円程度 |
| 天井・屋根 | 天井裏・屋根の断熱 | 20〜80万円程度 |
| 住宅全体 | 窓・壁・床・天井の総合改修 | 200〜700万円程度 |
※費用は住宅の規模、施工範囲、使用する建材、既存住宅の状態によって変動します。
費用対効果を考えるなら、まず「窓」の断熱から
断熱リフォームの中でも、比較的取り入れやすいのが窓の断熱改修です。
窓は、冬の暖房熱が逃げやすく、夏は日射熱が室内に入りやすい場所です。そのため、内窓の設置や断熱性能の高いガラスへの交換によって、室内の暑さ・寒さや結露の改善が期待できます。
主な方法には次のようなものがあります。
- 内窓の設置:既存の窓の内側にもう1枚窓を設置
- 複層ガラス・Low-Eガラスへの交換
- 断熱性能の高いサッシへの交換
費用を抑えながら断熱効果を高めたい場合は、まずリビングや寝室など、長時間過ごす部屋から施工する方法もおすすめです。

外壁の断熱リフォームは費用が大きくなりやすい
外壁の断熱改修は、工事規模が大きくなりやすいため、費用も比較的高額になります。
主な方法は、
- 外壁の外側に断熱材を施工する「外張り断熱」
- 壁の内側に断熱材を入れる「充填断熱」
の2種類です。
外張り断熱は住宅全体の断熱性能を高めやすい一方、足場や外装工事も必要になるため、費用は高くなる傾向があります。
一方で、外壁塗装や外壁リフォームの時期と合わせて施工すれば、足場代などをまとめられる場合もあります。
床下断熱は「足元の寒さ」が気になる住宅におすすめ
冬になると、
「暖房をつけているのに足元だけ寒い」
という場合は、床下の断熱性能が不足している可能性があります。

床下断熱は、床下点検口から職人が入り、既存の床の裏側に断熱材を施工する方法が一般的です。
床を大きく解体せずに施工できるケースも多く、費用の目安は20〜60万円程度です。
住宅の床面積や床下の高さ、既存の断熱材の状態によって費用は変わります。
夏の2階が暑いなら天井・屋根の断熱も重要
「夏になると2階だけ異常に暑い」という住宅では、天井や屋根からの熱の影響が大きい場合があります。
天井裏に断熱材を追加したり、断熱材を吹き込んだりすることで、屋根から伝わる熱を抑えることができます。

費用の目安は20〜80万円程度です。
既存の天井を解体せず、天井裏から施工できる場合は、比較的短期間で工事できることもあります。
住宅全体を断熱すると、どのくらいかかる?
窓・壁・床・天井などをまとめて改修する場合、費用は住宅の規模によって大きく変わります。
目安としては、
| 住宅・施工内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 窓中心の部分断熱 | 30〜100万円程度 |
| 窓+床・天井 | 70〜200万円程度 |
| 窓+壁+床+天井 | 200〜700万円程度 |
築年数が古い住宅では、既存の断熱材が不足していたり、劣化していたりするケースもあります。
そのため、全面改修を検討する場合は、事前に床下や天井裏などの状態を確認してから計画を立てることが重要です。
断熱リフォームの費用を抑えるポイント
断熱リフォームは、すべてを一度に行う必要はありません。
予算が限られている場合は、次のように優先順位をつける方法がおすすめです。
1.まず窓を見直す
比較的工事しやすく、室内環境の変化を感じやすい窓から始めます。
2.床下・天井を追加する
足元の冷えや2階の暑さなど、悩みに合わせて施工箇所を追加します。
3.大規模な外壁改修は他の工事と合わせる
外壁塗装や屋根工事など、将来的に必要なメンテナンスと同時に行うことで、足場代などを効率化できる場合があります。

補助金を活用できる場合も
断熱窓や省エネ性能を高めるリフォームは、国や自治体の補助制度の対象になることがあります。
ただし、
- 対象となる製品や性能基準
- 申請方法
- 予算の上限
- 受付期間
などは制度によって異なります。
また、補助金は工事を始める前の手続きが必要な場合もあるため、リフォームを決めてからではなく、見積もりの段階で確認しておくことが大切です。
見積もりを見るときに確認したいポイント

断熱リフォームの見積もりは、総額だけで比較しないようにしましょう。
特に確認したいのは、次の項目です。
- 使用する断熱材や窓の製品名
- 断熱材の厚さや性能
- 実際の施工範囲
- 足場代や解体費が含まれているか
- 追加費用が発生する可能性
- 補助金の利用可否
- 保証やアフターサービス
一見安い見積もりでも、施工範囲が狭かったり、使用する建材の性能が異なったりすることがあります。
「何にいくらかかるのか」まで確認することが大切です。
断熱リフォームは、まず住まいの状態を知ることから
断熱リフォームの費用は、住宅の築年数や構造、現在の断熱材の状態によって大きく変わります。
そのため、いきなり「全面断熱でいくら」と考えるよりも、
- どこから熱が逃げているのか
- どこから改善するべきか
- 今ある断熱材は十分なのか
- 部分的な改修で改善できるのか
を確認してから計画することが重要です。

例えば、窓だけで大きく改善する住宅もあれば、床下や天井の断熱不足が原因になっている住宅もあります。
まとめ
断熱リフォームの費用は、施工箇所によって大きく異なります。
- 窓の断熱:数万円〜
- 床下・天井の断熱:20〜80万円程度
- 外壁の断熱:50〜300万円程度
- 住宅全体の断熱改修:200万円以上になるケースも
予算を抑えたい場合は、まず窓など効果を感じやすい箇所から始め、必要に応じて床・天井・壁へと範囲を広げていく方法がおすすめです。
断熱リフォームは、単に「高性能な断熱材を入れる」だけではありません。住まいの状態に合わせて施工箇所や方法を選ぶことで、無駄な工事を避けながら、費用と快適性のバランスを取りやすくなります。
まずは現在の住まいの断熱状態を確認し、必要な工事を見極めたうえで計画を進めましょう。


