この記事を書いた人

高島 比呂人
住宅メンテナンス診断士
建築設計の専門学校を卒業後、長年建築業界に携わってきた高島です。戸建てを中心に様々な建物に関わる中で、安全で安心できる住まいの大切さを実感してきました。その経験を活かし、ホームインスペクションでは建物の細部まで丁寧にチェックし、専門知識に基づいた分かりやすい解説を心がけています。

雨がやんだあと、ベランダの一部に水たまりが残っていませんか?

「そのうち乾くから」と見過ごしがちですが、以前より水はけが悪くなったと感じたら、一度確認しておきたいサインです。

ただし、水たまりがあるだけで、防水層が劣化しているとは限りません。排水口の詰まりや床の傾斜など、別の原因が関係している場合もあります。

この記事では、ベランダに水が残る主な原因と、排水口の詰まり・防水劣化を見分けるためのチェックポイント、ご自身でできるお手入れを紹介します。

目次

ベランダに水たまりが残る主な原因

1.排水口に落ち葉や泥がたまっている

ベランダの雨水は、床の傾斜に沿って排水口へ流れます。排水口やそこまでの溝に落ち葉・砂・泥などがたまると、水の通り道が狭くなり、排水しにくくなります。

特に、植木鉢の土が流れ出ている場所や、風で落ち葉が入りやすい場所は注意が必要です。排水口を覆うカバーにゴミが絡んでいないかも確認しましょう。

2.床の傾斜や凹みによって水が残っている

ベランダには、排水口へ水を流すための緩やかな傾斜が設けられています。この傾斜を「水勾配」といいます。

排水口がきれいでも、床の一部が低くなっていたり、排水口へ向かう傾斜が十分でなかったりすると、同じ場所に水が残ることがあります。

排水口から離れた場所に、毎回同じ形の水たまりができる場合は、床の形状や勾配も確認する必要があります。

原因を確かめるために、床を削ったり、ご自身で材料を盛ったりするのは避けましょう。

3.防水面の膨れや傷みがある

床の防水面に膨れや浮きがあると、表面の凹凸によって水の流れに影響する場合があります。水たまりの周囲にひび割れや剥がれが見られるときは、防水の状態も併せて確認しましょう。

一方、見えているひび割れが表面の保護塗膜だけのものか、防水層まで及んでいるのかは、写真や見た目だけでは判断しきれません。

水はけの問題と、防水性能の問題は分けて確認することが大切です。

同じ場所に繰り返し水が残る場合は、排水口だけでなく床の傾斜も確認しましょう。

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排水口の詰まり?防水劣化?見分けるチェックポイント

次の表は、原因を絞り込むための目安です。複数の原因が重なることもあるため、症状だけで補修方法を決めないようにしましょう。

見られる症状 考えられる原因・確認点 対応の目安
排水口や溝に落ち葉・泥がある ゴミによる排水の妨げ 手の届く範囲のゴミを取り除く
掃除をしても排水口付近に水がたまる 排水経路の奥の詰まり、排水口周囲の状態など 無理に奥をつつかず、点検を依頼する
排水口から離れた同じ場所に水が残る 床の凹みや水勾配の問題など 雨上がりの写真を残して相談する
床にひび割れ・膨れ・剥がれがある 保護塗膜や防水層の傷みの可能性 防水面と下地の状態を確認してもらう
下の部屋に雨染みや水滴がある ベランダや外壁などからの漏水の可能性 早めに原因調査を依頼する

少量の水が残る場合でも、乾き方は天候・日当たり・床の仕上げによって変わります。

「何時間残ったら異常」と一律に判断するよりも、以前より乾きにくい、水たまりが広がった、毎回同じ場所に残るといった変化に注目しましょう。

ベランダの床と立ち上がり部分に見られるひび割れや表面の剥がれ。補修前に、防水層まで傷みが及んでいないか確認することが大切です。

ご自身でできるベランダのお手入れ

まずは落ち葉や泥を回収する

雨がやみ、足元が安全な状態になってから、ほうきやちりとり、手袋などを使って落ち葉や泥を取り除きます。

ゴミを水で排水口へ押し流すと、奥で詰まる原因になるため、できるだけ回収しましょう。

排水口のカバーは、取扱説明書などで外してよい部品か確認し、簡単に取り外せるものだけを扱います。固定された部品を無理に外す必要はありません。

床は仕上げ材に合った方法で掃除する

床の掃除は、住宅や防水材の取扱説明書に従いましょう。一般的には柔らかいブラシなどで優しく汚れを落としますが、使用できる洗剤や道具は仕上げによって異なります。

  • 金属ブラシや鋭い道具で防水面をこすらない
  • 排水口の奥に棒や針金を無理に差し込まない
  • 使用可否を確認せず、高圧洗浄機や強い薬剤を使わない
  • 掃除のために、詰まった排水口へ大量の水を流さない

掃除後は、次の雨上がりに水の残り方を確認すると、改善したかどうかを把握しやすくなります。

すでに雨漏りがある場合は、確認のための散水はせず、専門業者へ相談してください。

植木鉢や床に敷いた物の周囲も確認する

植木鉢や置き敷きタイルの周囲は、落ち葉や土がたまりやすい場所です。無理なく動かせる物だけ移動して、排水口や溝が隠れていないか確認しましょう。

重い物や固定された設備を動かしたり、手すりの外へ身を乗り出して作業したりする必要はありません。マンションの場合は、管理規約と管理会社の案内に従ってください。

掃除だけでは改善しないときに確認したい防水のサイン

ひび割れ・膨れ・剥がれ

床に線状のひび割れがある、表面がふくらんでいる、塗膜やシートが剥がれているといった症状は、点検を検討するきっかけになります。

膨れを押したり、剥がれた部分をめくったりせず、写真を撮って状態を伝えましょう。

排水口まわりや壁との境目の傷み

床の中央だけでなく、排水口のまわり、床と壁の境目、サッシの下なども目で確認します。

すき間や割れ、剥がれがある場合は、その位置が分かる写真を残しておくと相談に役立ちます。

下の部屋の天井や壁に雨染みがある

ベランダの下にある部屋で、雨のあとに染みが広がる、水滴が落ちるといった症状がある場合は、早めの調査が必要です。

ただし、雨水の入口は外壁やサッシなどの場合もあり、ベランダだけが原因とは限りません。

雨漏りが起きた日時、雨の強さ、染みの位置を記録しておくと、原因を調べる際の手がかりになります。

ベランダ下の天井に見られる剥がれや変色。雨漏りが疑われる場合は、排水口まわりや防水の状態を確認することが大切です。

防水工事は「とりあえず塗る」前に状態を確認

防水のメンテナンスには、表面を保護するトップコートの塗り替えや、防水層そのものの補修・改修などがあります。

必要な工事は、既存の防水工法や傷みの程度によって異なります。

トップコートを塗るだけで、排水口の詰まりや床の勾配、傷んだ下地まで直せるわけではありません。

また、既存の防水材と合わない材料を使うと、剥がれなどの不具合につながる場合があります。

市販の塗料や補修材を使う前に、施工会社や防水の専門業者へ相談し、原因に合った対応を選びましょう。

よくある質問

ベランダに水たまりがあると、必ず雨漏りしますか?

必ず雨漏りするわけではありません。ただし、排水不良と防水面の傷みが重なると、漏水につながる可能性があります。水が残る原因と、防水の状態を併せて確認しましょう。

排水口を掃除しても改善しません。どうすればよいですか?

奥の排水経路の詰まりや、床の凹み・勾配などが関係している可能性があります。自己判断で排水部品を分解せず、水が残っている場所の写真を撮って点検を依頼しましょう。

点検の相談には、どんな写真があると役立ちますか?

ベランダ全体、水たまりと排水口の位置関係、気になるひび割れや剥がれの近接写真があると、状態を伝えやすくなります。

撮影日と、雨がやんでからのおおよその時間も添えてください。写真だけで原因や防水性能を確定できるわけではありませんが、相談の手がかりになります。

ベランダの水はけが気になったら、まずは状態の確認を

水たまりが残る場合は、まず排水口と溝にゴミがたまっていないか確認しましょう。

掃除しても改善しない、同じ場所に繰り返し水が残る、防水面にひび割れや膨れがある場合は、原因を調べることが大切です。

家メンテでは、ベランダをはじめ、屋根・外壁・基礎など住まいの状態を確認する住宅診断をご案内しています。

「工事が必要か分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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現地調査の代わりとなるものではありませんので、雨漏りや明らかな傷みがある場合は、直接ご相談ください。

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