築15年を過ぎたら考えたい「住まいの健康診断

長く安心して暮らすために、今できる住まいのケア

見た目はきれいでも、家の中では少しずつ変化が進んでいる

壁の汚れ、ドアの立てつけ、ベランダの色あせ。
そうしたわずかな変化の裏側で、実は家の内部ではゆっくりと「老化」が進んでいることがあります。
家は完成した瞬間から少しずつ劣化が始まるといわれます。
それは自然なことですが、気づかないまま放置すると、後から大きな修繕が必要になる場合もあります。 特に「築15年」という時期は、見た目以上に注意したい節目です。
この記事では、なぜ15年がポイントになるのか、どの部分をどのように点検すればよいのかを、専門的な視点を交えながらわかりやすくご紹介します。

なぜ“築15年”がひとつの目安になるのか

外からはわかりにくい劣化が進むのがこの時期。
例えば次のような変化が起こりやすくなります。

  • 外壁の塗膜が紫外線で劣化し、防水性が低下
  • 屋根の塗装が色あせ、雨水が吸収しやすくなる
  • ベランダの防水層が硬化やひび割れを起こす
  • コーキング(シーリング)が縮んで隙間ができる
  • 排水管や給水管の内部に汚れや錆がたまりやすくなる

これらは放っておいてもすぐに大きなトラブルにはならないこともありますが、時間とともに確実に進行していく「劣化」です。
気づいたときには、壁の中や屋根の下で雨水が回っていた…というケースも少なくありません。

家を守る「住宅診断」とは

劣化の進行状況を把握することで、修繕の必要性や時期を判断する参考になります。
診断の内容は業者によって異なりますが、一般的には以下のような項目が確認されます。

  • 屋根や外壁のひび割れ、塗装の劣化
  • ベランダやバルコニーの防水状態
  • 雨どい、排水管の詰まりや勾配不良
  • 基礎や外構のひび割れ
  • 床下の湿気やシロアリ被害の有無
  • 天井裏の雨染み、断熱材の状態

これらを一度に点検することで、「今どこを手を入れるべきか」「どの部分を様子見できるか」を整理できるため、効率的なメンテナンス計画を立てやすくなります。

屋根は常に風雨や紫外線にさらされており、家の中でもっとも過酷な環境にあるといえます。
しかし、普段は目にすることがないため、劣化に気づきにくいのが特徴です。

屋根材の種類によって寿命は異なりますが、塗装仕上げのスレート屋根では、10〜15年ほどで再塗装が必要になる場合があります。
塗膜が劣化すると防水性が低下し、雨水を吸い込んで内部の野地板が傷むこともあります。 また、台風などの影響で釘の浮きやズレが起きているケースもあり、早めの診断が効果的です。
特に、室内の天井にシミができた場合は、屋根裏で雨漏りが進行しているサインとして注意が必要です。

外壁は、建物を外気や雨から守るバリアのような存在です。
見た目のきれいさ以上に重要なのは、その「防水機能」です。

手で壁を触ったときに白い粉がつく現象(チョーキング)は、塗膜が紫外線で分解されているサインといわれています。
この状態が続くと、雨水が外壁材に直接しみ込みやすくなります。 また、目地のコーキングが硬化してひび割れが出ている場合も、雨水の侵入口となる可能性があります。
塗装だけでなく、コーキングの打ち替えや補修も視野に入れて診断を行うとよいでしょう。

ベランダは屋外に張り出した構造のため、雨や紫外線、温度変化の影響を受けやすい場所です。
床面の防水層が劣化すると、雨水が下地に浸透して室内への漏水につながることもあります。 表面の色あせ、ひび、浮きなどが見られたら、早めの診断が安心です。
排水口周りにゴミや落ち葉がたまることも防水層への負担になりますので、日常的な清掃も大切です。

建物を支える基礎部分は、普段あまり注目されませんが、ひび割れがあると水の侵入や鉄筋の腐食につながる場合があります。
すべてのひびが危険というわけではなく、幅や深さによって判断が変わります。 表面の浅いひびであれば経過観察でも問題ないことがありますが、0.3mm以上の深いひびや、斜め方向に走るものは注意が必要とされます。
専門家による確認で構造的な影響がないかチェックしておくと安心です。

築年数が経過すると、給排水管の内部にも汚れやサビがたまりやすくなります。
水の流れが悪くなったり、排水口からのにおいが気になったりする場合は、管内の状態を点検しておくとよいでしょう。 特に、キッチンや浴室の排水は油や石鹸カスが蓄積しやすく、詰まりやすい傾向があります。
定期的な洗浄や点検を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

自分でできる簡単チェックリスト

ご自身でも、日常的な観察で劣化の兆候を見つけることができます。
次のようなポイントを定期的に確認してみましょう。

  • 壁を触ると白い粉がつく
  • ベランダに水が溜まりやすい
  • 天井や壁にシミがある
  • ドアや窓の開閉が重くなった
  • 排水口からにおいがする
  • 外壁のコーキングがひび割れている
  • 雨どいが詰まっている
  • 庭の地面が湿っている

これらの変化が見られた場合、専門業者に点検を依頼すると、より正確な状態がわかります。

放置した劣化が招くトラブル

小さな不具合をそのままにしておくと、後から大きな修繕につながることがあります。
たとえば、外壁のひび割れを放置すると内部に雨水が入り、断熱材や構造材まで影響が及ぶことがあります。
そうなると、見た目の修繕だけでは済まず、内部補修まで必要になることも。 早期に診断しておけば、必要最低限の範囲で修繕できるケースも多く、結果的に負担を減らせる可能性があります。

専門家による診断のメリット

住宅診断を専門に行う業者や診断士は、建物全体を総合的に見て、劣化の進行度や修繕の優先順位を提案します。
自分では見えない屋根裏や床下も確認できるため、安心感があります。 また、「すぐに工事が必要」という判断ばかりではなく、今後のメンテナンス計画を立てるための基礎資料として活用できる点も大きなメリットです。

住まいも人と同じ、“定期健診”が長持ちの鍵

家は、日々の生活を守る大切な空間です。
築年数を重ねるほどに味わいも増していきますが、それを支えるためには定期的なケアが欠かせません。

「まだ大丈夫」と思っているうちに、少しずつ進行しているのが住まいの劣化です。
築15年を迎えた今こそ、家全体を見直す良いタイミングかもしれません。 定期的な住宅診断を通じて、家の健康状態を把握しながら、無理のないペースでメンテナンスを続けていくことが、長く快適に暮らすための第一歩です。

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