外壁のホームインスペクション プロと一般の方との違い―見えるのに“わからない”外壁劣化を見抜く力―

外壁は家の見た目をつくるだけでなく、雨風や紫外線、気温差から建物を守る重要な部分

しかし外壁は「屋根よりは見える」ため、劣化に気づいていない方も多く、知らない間に深刻なトラブルへ進んでしまうケースも珍しくありません。

最近では、一般の方でも家の状態をチェックしようとホームインスペクション住宅診断という言葉を耳にする機会が増えています。
ただし実際には、一般の方が見てわかることには限界があり、プロのインスペクションとは精度が大きく違うというのが現実です。

さらに本コラムでは
● 専門機材を使わない
● 目視中心の外壁診断
という前提で、プロと一般の方との大きな差がどこにあるのかを徹底解説します。

1. 外壁のホームインスペクションが重要な理由

外壁は家の寿命を大きく左右する部分です。
放置すると次のような問題が起きます。

  • 雨漏り
  • 外壁内部の腐食
  • カビや湿気の発生
  • シロアリの侵入
  • 外壁材の割れ・欠け
  • 家の断熱性能低下
  • メンテナンス費用の増大

特に雨漏りは「屋根からだけ」と思われがちですが、外壁からの侵入も非常に多いのです。

外壁劣化は早期に見つければ小さな補修ですみますが、見逃すと一気に費用が跳ね上がります。
だからこそ、外壁のホームインスペクション(住宅診断)は家を守るために欠かせないのです。

2. 安全・簡単な外壁チェック

まずは専門知識がなくても確認できるポイントを整理します。
もちろん、屋根同様に危険な場所へ登る必要はありません。


① 外壁の色あせ・チョーキング(白い粉)

手で触ると白い粉がつく現象です。
外壁塗装の劣化サインとしてよく知られています。


② ひび割れ(クラック)

代表的なタイプは次の2つです。

● ヘアクラック(髪の毛ほどの細い割れ)
● 構造クラック(2mm以上のやや大きな割れ)

「割れているかどうか」だけなら確認できます。


③ コケや黒ずみ、汚れ

湿気の多い北側や日陰に出やすい現象です。


④ コーキングの破断や痩せ

外壁材のつなぎ目のゴム部分が

  • ひび割れ
  • 肉やせ
  • 隙間発生

していないかチェックできます。


⑤ 反り・浮き・変形

サイディング外壁ではよく見られる劣化サインです。


⑥ 室内側のサイン

  • 壁紙の浮き
  • 角の黒ずみ
  • 湿気っぽさ
  • カビ臭さ

こうした室内の異変も外壁劣化と関係している可能性があります。

3. チェックの限界:見えるのに判断できない理由

「見るだけなら私でもできるのでは?」
と思われがちですが、実は外壁こそプロとの差が最も大きく出る部分です。

その理由を整理します。


① 見えるものと“劣化”が一致しない

外壁は「見た目がきれいでも内部が劣化している」ケースが非常に多い素材です。

たとえば…

  • コーキングが外側はキレイでも内部が硬化している
  • ひび割れが浅く見えても内部では深く広がっている
  • 黒カビが表面ではなく外壁内部で繁殖している

一般の方は“表面だけ”を見るため、劣化の本質を判断できません。


② ひび割れの危険度が判断できない

同じひびでも意味が違います。

  • 表面だけのヘアクラック → 緊急性は低い
  • 構造クラック → 雨漏り・耐震性に影響
  • 開口クラック → 雨漏りの主要原因

これはなかなか区別できません。


③ コーキング劣化のサインを読み取れない

コーキングの劣化は家全体の防水性能に直結しますが、

  • 触った感触
  • 表面のツヤ
  • 角度による影
  • 少しの隙間の入り方

など、プロはいくつもの観点を同時に判断します。


④ 外壁材の種類・特徴を理解していない

外壁材の種類によって劣化の出方はまったく異なります。

  • 窯業系サイディング
  • 金属サイディング
  • モルタル外壁
  • ALC
  • タイル外壁

プロは材質を一瞬で見抜き、その特性に合わせて劣化判断を行います。


⑤ 関連箇所とのつながりを読めない

外壁だけ見ても原因は分かりません。

  • 破風板の角
  • 雨どいの勾配
  • ベランダ防水
  • 窓サッシ周り
  • 軒天のシミ

これらすべてが“外壁の劣化”とつながっていることがあります。

4. プロのホームインスペクション:専門機材なしでもここまで分かる

ここでは、機材を使わずに目視だけで行うプロの住宅診断の実力を紹介します。


① 劣化の進行スピードを推測できる

プロは、

  • 築年数
  • 外壁材の種類
  • 方角(日当たり)
  • 地域の気候
  • 過去の台風・大雨
  • シーリングの状態

などを総合して、「この家の外壁はどのくらいのスピードで劣化するか」を読み取ります。

つまり、今だけでなく未来の劣化も予測できるのです。


② 微妙な影・凹みで劣化を見抜く

プロは“外壁の影の入り方”に敏感です。

  • 小さな膨らみ
  • 表面の凹凸
  • 湿っている部分の色
  • コーキングのわずかな段差

これらを見て、内部の劣化や雨漏りの危険度を判断できます。


③ 表面のひび割れから内部構造を推測できる

たとえばモルタル外壁の場合、
表面の小さな割れの方向や深さから

  • 下地の動き
  • 基礎の沈み
  • 壁内の湿気量
  • 雨の侵入方向

まで把握できます。


④ 外壁全体の“つながり”を見て判断する

プロは一部分を見るのではなく、家全体をつなげて読み解きます。

  • ひび割れの位置
  • 雨水の流れ
  • 軒・窓・外壁の構造
  • 風の当たり方
  • ベランダとの接点

単体で見ると軽い劣化に見えても、つながりを見ると雨漏りリスクが高いことがあります。


⑤ 過去の施工や地域性も踏まえる

プロは経験から

  • よく使われる工法
  • 地域の外壁トラブル傾向
  • 雨量の多い季節の被害
  • 築年数ごとの劣化パターン

を把握しているため、外壁の状態を的確に判断できます。

7. プロの住宅診断を依頼すべきタイミング

以下のサインがあれば、早めに住宅診断を受けるべきです。

✔ 天井にうっすらシミ
✔ 雨の日に部屋が湿っぽい
✔ 雨どいが溢れたことがある
✔ 屋根の一部が黒ずんでいる
✔ 築10年以上で屋根点検をしたことがない
✔ 台風が多かった年


屋根は気づいたときには劣化が進行していることが多いため、早めの診断が重要です。

5. 外壁のトラブルが隠れていてもプロは“サイン”を見逃さない

専門機材を使わなくても、次のようなサインから原因を読み取れます。


① 外壁のわずかな膨らみ → 内部の湿気

内部に水が入ると膨らみが出ることがあります。


② コーキングの縮み方 → 雨漏りポイント

縮みが上下方向か左右方向かで原因が変わります。


③ 汚れの形 → 水の流れるライン

黒ずみの筋がどこからどこへ伸びているかで、水の侵入経路が読み取れます。


④ カビの位置 → 通気不良か水侵入か

湿度が原因か、外壁からの水侵入なのか判断できます。


⑤ サッシ周りの影 → 隙間の有無

サッシ周りは外壁トラブルの最大要因で、影の形で劣化がわかります。


6. 外壁は“見えてもわからない”理由はココにある

まとめると、外壁は見えているのに一般の方とプロの判断はまるで違います。

一般の方:
● ひびがある/ない
● 汚れている/いない
● コケがある/ない

プロ:
● ひびの種類・深さ・方向
● 汚れの出方から水の侵入方向
● コケの位置から日照と湿度を推測
● コーキングの隙間から劣化レベルを判断
● 外壁材ごとの劣化パターン
● 家全体の構造に対する影響

外壁は、見えているようで“見えない情報”が非常に多いのです。

7. 外壁トラブルを放置するとどうなる?

外壁の劣化を放置すると、以下のような被害が起きます。

  • 雨漏り
  • 壁内のカビ発生
  • 構造材の腐食
  • サッシからの水侵入
  • シロアリの発生
  • 外壁材の剥離
  • リフォーム費用の大幅増

外壁は劣化が進むほど、補修費が跳ね上がります。

8. 住宅診断を依頼するべきタイミング

次のようなサインがあれば、早めにプロの住宅診断を受けるべきです。

✔ 外壁にひび割れを見つけた
✔ コーキングが痩せている
✔ 黒ずみの筋が出てきた
✔ 築10年以上外壁を見てもらっていない
✔ 北側の外壁が湿気っぽい
✔ 雨の日に家が湿っぽい
✔ 室内の角が黒ずんでいる


どれか1つでも当てはまれば注意が必要です。

9. 外壁のホームインスペクションは“見えるのに判断が難しい”分野

外壁は家の寿命を決める非常に重要な部分ですが、専門知識のない方では劣化の本質を判断することは困難です。

プロは専門機材を使わなくても、外壁の“わずかなサイン”から原因を読み解く力があります。

● ひび割れの種類
● コーキングの状態
● 色の違い
● 影の入り方
● 汚れの形
● 雨の通り道
● 材質の劣化パターン

これらを総合的に判断できるのがプロの住宅診断(ホームインスペクション)です。


結論:外壁の状態が少しでも気になるなら、住宅診断を受けるべきです。

早期にホームインスペクションを受ければ、

  • 劣化の進行を止められる
  • 雨漏りを未然に防げる
  • 修繕費用を大幅に減らせる

というメリットがあります。 外壁の健康は家の健康そのものです。
ぜひ一度、プロの住宅診断を検討してみてください。

前回のコラムは下記をクリックしてください。
「屋根のホームインスペクション プロと一般の方との違い―屋根に登らなくても“診断精度が違う”理由を徹底解説―」

人気コラム

  • 壁のシミ・カビは自分で消せる!原因別の掃除方法と予防策を徹底解説

  • 【賃貸OK】壁のシミ・カビを自分で消す!原因別の正しい落とし方と予防策

  • 【保存版】住宅診断チェックリスト|プロが使う全項目を完全公開

住宅診断に関するご相談はお気軽にご連絡ください
住宅診断に関する
ご相談は、お気軽に
ご連絡ください
いますぐ
申し込む