住まいを長持ちさせる“セルフメンテナンス”のすすめ

自宅でできる住宅の補修

家は、住み始めた瞬間から少しずつ劣化が始まります。
しかし、こまめな点検とちょっとした補修を行うだけで、家の寿命は大幅に変わります。
専門業者に依頼するほどではないけれど、放っておくと確実に悪化していく――そんな“日常の小さな故障”は、実は多くのご家庭で起きています。

そこで本コラムでは、「自宅でできる」住宅の補修ポイント をわかりやすくまとめました。

特別な道具が必要ないものや、ホームセンターで簡単に揃えられるものを中心に紹介します。
「家のセルフメンテに挑戦してみたいけれど、何から始めればいいかわからない」という方の参考になれば幸いです。

1.なぜ自宅での小規模補修が大事なのか?

近年、住宅の寿命は伸びつつありますが、その背景には「住む人が家を維持する意識」が高まっていることがあります。
家の劣化は突然起きるのではなく、ほとんどが“前兆”の期間を経て進んでいきます。

例えば、

  • 小さなひび割れ
  • ドアのきしみ
  • パッキンの劣化
  • 外壁の細かいチョーキング
  • 網戸のたるみ

こうした症状は「そのままでも住めてしまう」ため、つい放置しがちです。

しかし、これらを早い段階で対処すれば、

  • 大規模な修理を避けられる
  • 費用負担が抑えられる
  • 家の快適性が長く保てる

といったメリットが生まれます。

つまり自宅でできる補修は、“住宅の健康寿命”を延ばすための基本習慣なのです。

2.室内でできる補修ポイント

(1)壁のキズ・穴の補修

家具を移動したときや、子どもの遊びによってできてしまう石膏ボード壁の小さな穴やへこみは、ホームセンターで売っている「壁穴補修キット」で簡単に直せます。

補修の基本手順

  1. 穴の周囲をきれいにする
  2. パテを詰めて平らにならす
  3. 乾燥させる
  4. サンドペーパーで仕上げ
  5. 補修シートやクロスで仕上げる

最近は“貼るだけ”で違和感を抑えられる補修クロスも多く、DIY初心者でも気軽に作業できます。


(2)巾木のめくれや浮きの補修

掃除機をぶつけたり、湿気により巾木の一部が浮くことがあります。
これは接着剤で簡単に直せます。

ポイント

  • 内装用の弾性接着剤を使用
  • 浮いた部分の内部のホコリを取り除く
  • 固定して乾燥させる

放置しておくとホコリが入り込み、見た目だけでなく、さらに剥がれが進む原因になります。


(3)床鳴りの改善

床が「ギシッ」と鳴る原因は、床材と下地の摩擦や経年変化によるゆるみです。
軽度の床鳴りなら「床鳴り防止スプレー」で簡単に改善できます。

使い方のポイント

  • 床材の隙間にスプレーを入れるだけ
  • 広範囲に使いすぎない
  • 効き目は徐々に出る

床鳴りが大きい場合は構造が原因の可能性があるため専門業者に相談しましょう。


(4)カビの除去・防止

窓枠・脱衣所・浴室周りはカビが発生しやすい場所。
市販のカビ除去剤でこまめに処理するだけでも家の耐久性は高まります。

カビ除去のコツ

  • 洗剤を塗布して“10分置く”
  • 乾燥を徹底する
  • 防カビくん煙材で予防

特に湿気がたまりやすい北側の部屋は要注意です。


(5)ドアや引き戸の動きの悪さ

ドアのきしみは、蝶番やレール部分に少し油をさすことで改善することが多いです。

使うのは「専用潤滑剤」

  • シリコンスプレー(汚れがつきにくい)
  • 乾性潤滑剤(粉系)

※自転車油や機械油はホコリが付きやすく、住宅には不向きです。

3.水回りのセルフ補修

水回りは家の中で最もトラブルが生じやすい場所。ここをケアするだけで、住宅の老化を大幅に防げます。


(1)シンクや洗面台のコーキング補修

キッチンや洗面台のコーキングは、黒ずんだり、ひびが入ると水が入り込みカビや腐食の原因になります。
自分で補修可能な代表例です。

手順

  1. 古いコーキングをカッターで除去
  2. 残ったカスをきれいに掃除
  3. 新しいコーキング材を打つ
  4. へらで平らに仕上げる

最近は「貼るだけコーキングテープ」もあり、初心者でもきれいに仕上げられます。


(2)水栓のパッキン交換

蛇口から「ポタポタ」と水が落ちる場合、ほとんどがパッキンの劣化です。
数百円で交換でき、作業もシンプル。

基本手順

  • 止水栓を閉める
  • モンキーレンチで水栓を分解
  • 古いパッキンを新しいものに交換
  • 元に戻す

これだけで水漏れが止まります。


(3)排水口のつまり解消

排水口の流れが悪い場合は、軽度であれば「パイプクリーナー」を使用するのが基本。
蓋やトラップ部分を外して清掃するだけでも改善します。

ポイント

  • 年に数回の定期清掃
  • 髪の毛キャッチャーで予防
  • 一気に大量の油を流さない

排水トラブルは悪化すると高額修理につながるため、日常的にケアすることが大切です。

4.外回りのセルフ補修

外回りの点検は少しハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし地上から見える範囲・手が届く部分に限れば、誰でも確認できます。


(1)外壁の軽度のひび補修(ヘアクラック)

外壁には細かいひびが入りやすく、これは「ヘアクラック」と呼ばれます。
深さが浅い場合には自分で補修可能です。

手順の目安

  • 専用の補修材(コーキングや外壁補修材)を塗布
  • 表面を馴染ませる
  • 変色が気になる場合はタッチアップ塗料で仕上げ

深いひび(構造クラック)は構造上の問題の可能性があるためDIY不可です。


(2)雨樋(あまどい)の詰まり解消

落ち葉が詰まると、雨水があふれ、外壁の劣化や雨漏りの原因になります。
脚立で届く範囲なら、自分で落ち葉取りが可能です。

注意点

  • 高所作業は危険なので無理はしない
  • 二人以上で作業
  • 軍手と目の細かい網が便利

詰まりを放置すると雨漏りにつながるため、年に1〜2回は確認しましょう。


(3)庭木が外壁や屋根に触れていないか確認

意外と多いのが「庭木の枝が屋根や外壁に接触して家を傷つけている」ケースです。
枝が風で揺れて外壁を擦ると、塗膜が削れ劣化が進んでしまいます。

対処法

  • 手の届く範囲の枝は剪定
  • 電線にかかっている場合は電力会社へ連絡

定期的な剪定で家の寿命が延びます。

5.窓・サッシまわりの補修

窓は住宅の中で最も劣化が目に見えやすい場所です。


(1)サッシの掃除と滑り改善

砂ぼこりや汚れが溜まると、窓の開閉が重くなります。

改善方法

  • 掃除機で大まかなゴミを吸う
  • 歯ブラシで細かい部分を掃除
  • 最後にシリコンスプレー

これだけで動きが驚くほど滑らかになります。


(2)網戸の張り替え

網戸の張り替えは“住宅補修DIYの定番”。枠を外し、ネットを交換してローラーで押し込むだけで完了です。

ポイント:

  • たるみのないようにローラーでしっかり押す
  • ペット用の強化ネットもある

慣れれば1枚15〜20分ほどで張り替えられます。

6.屋内の気になる音・振動の対処

家から聞こえる異音は不安のもとですが、小さなものなら自分で対処できます。


(1)換気扇の騒音

油汚れやホコリが原因のことが多いです。

対処法

  • カバーを外す
  • フィルターを洗浄
  • ファンに汚れが溜まっていないか確認

音が静かになり、換気効率もアップします。


(2)階段のきしみ

階段のきしみも軽度なら床材のゆるみが原因です。
踏板と蹴り込み板の隙間に「木工用ボンド」を薄く流し込むだけで改善します。

7.セルフ補修で気をつけるべきポイント

いくらDIYでできるとはいえ、すべてを自分で直すべきではありません。

(1)構造部に関わる補修はNG

壁・柱・梁など、家の強度に関わる場所は必ず専門業者へ。

(2)電気工事は法律上、資格が必要

スイッチ交換なども基本的に資格が必要です。

(3)高所作業は無理をしない

屋根に登る作業は危険です。外壁も手が届く範囲だけにしましょう。

(4)症状が進行している場合は早めの相談

小さな雨漏りや大きいひび割れなどはDIY不可。
早期に専門家へ。

8.日常メンテナンスを習慣にするコツ

季節ごとに点検する

気づいたらメモしておく

道具を一式まとめておく

無理をしない範囲のDIYを楽しむ

家のメンテナンスは“気づいたときに少しずつ”が一番効率的です。

自宅でできる補修は、住まいを守る第一歩

自宅でできる補修は数多くありますが、どれも「放置すれば悪化するものばかり」です。

家は、住む人が少し手をかけてあげるだけで、驚くほど長持ちします。

今日紹介した内容はすぐに実践できるものばかりです。
ぜひ、ご自宅の気になる部分を一度見直してみてください。
小さな補修の積み重ねが、家族の暮らしを守る大きな安心につながります。

人気コラム

  • 壁のシミ・カビは自分で消せる!原因別の掃除方法と予防策を徹底解説

  • 【賃貸OK】壁のシミ・カビを自分で消す!原因別の正しい落とし方と予防策

  • 【保存版】住宅診断チェックリスト|プロが使う全項目を完全公開

住宅診断に関するご相談はお気軽にご連絡ください
住宅診断に関する
ご相談は、お気軽に
ご連絡ください
いますぐ
申し込む