シロアリの被害にあいやすい住宅の特徴― 住宅所有者が知っておくべきリスクと対策 ―

シロアリは、日本の住宅にとって非常に身近でありながら、被害を受けるまで気付きにくい“隠れた天敵”

特に木造住宅では、気付いたときには土台や柱の強度が大きく落ち、修繕費用が高額になるケースも珍しくありません。

本コラムでは、「シロアリの被害にあいやすい住宅の特徴」を中心に、シロアリが好む環境、危険サイン、予防策、点検の重要性などを、一般の住宅所有者の方にもわかりやすく解説します。

1. 白蟻(シロアリ)とは?基礎知識を知ることが予防の第一歩

シロアリはゴキブリに近い仲間で、木材を食べる性質を持つ昆虫です。
日本には主に以下の種類が住宅に被害を与えます。

  • ヤマトシロアリ:日本全国に生息し、最も被害が多い。湿った木材を好む。
  • イエシロアリ:九州〜関西に多く、生息エリア拡大中。巣の規模が大きく、被害が重度になりやすい。
  • アメリカカンザイシロアリ:乾いた木材を食べ、家具や2階部分でも被害が出る。移動範囲が広く厄介。

白蟻は湿気と暗所を好むため、床下や壁の内部、基礎コンクリートの小さな隙間に侵入します。
外から見えない場所で静かに木材を食べ続けるため、発見が遅れやすいのが特徴です。

2. なぜシロアリの被害は「気付きにくい」のか?

■ 2-1. 木材の内部から食べ進める

シロアリは木の表面を残し、中身だけを食べることが多く、外側からは異常がわかりません。
軽く叩くと「空洞音」がしますが、プロでないと判断が難しいのが実際です。

■ 2-2. 暗く狭い場所に潜む

床下・基礎・浴室下などは普段見ることがありません。特に、湿気がこもりやすい浴室周辺は注意が必要です。

■ 2-3. 兆候が出る頃には被害が進行している

「羽アリが飛んできた」などの分かりやすいサインは、すでに巣ができている可能性が高い状態です。

3. シロアリの被害にあいやすい住宅の特徴10選

ここでは、シロアリに狙われやすい住宅の共通点を幅広く解説します。
複数が当てはまる場合、特に注意が必要です。


① 床下の湿度が高い家

白蟻は湿った木を好むため、

  • 床下の換気不良
  • 雨水の侵入
  • 漏水
  • 地盤が湿気が抜けにくい

といった条件がそろうと、一気に被害リスクが増します。

特に古い住宅では床下換気口が少ない・小さいため、湿気がこもりやすい傾向があります。


② 浴室・洗面所・キッチンなど「水回り」の床下が弱い

水回りは湿気が発生するだけでなく、給排水管からの微細な漏れが継続して起こることがあります。
気付かれない小さな漏水でも、シロアリにとっては格好の環境になります。

特に在来工法のタイル張り浴室(古いお風呂)では、漏水が長年続くケースが多く、シロアリ発生率が高めです。


③ 基礎コンクリートにひび割れ・欠損がある家

白蟻はコンクリートを食べるわけではありませんが、1mm程度のひび割れや隙間からでも侵入できます。

  • 基礎の立ち上がりのひび割れ
  • 配管周りの隙間
  • 床束部分の劣化

こういった“わずかな隙間”が長期間放置されると、侵入経路となります。


④ 庭に古い材木・廃材・ウッドデッキがある

屋外に置かれた朽ちた木材は、白蟻を引き寄せる「誘因材」です。

例:

  • 使わなくなった木材を庭に置いたまま
  • 古いウッドデッキが傷んでいる
  • 植木鉢の下の湿気
  • 枕木(ガーデニング用)が腐りかけている

シロアリは屋外で活動しているうちに、住宅の基礎へそのまま侵入することがあります。


⑤ 床下断熱材が落ちて湿気を溜めている家

断熱材が経年劣化や施工不良で垂れ下がると、床下の空気の流れが悪くなり、湿気が溜まりやすくなります。

湿度が上がる → 木材が湿る → 白蟻が寄る
という悪循環が発生します。


⑥ 雨どい・外壁の不具合を放置している家

  • 雨どいの詰まり
  • 外壁のクラック
  • シーリングの劣化
  • バルコニーの防水不良

これらはすべて水の侵入につながり、結果として白蟻が好む湿った環境を作ります。


⑦ 古い住宅で、過去に防蟻処理をした記録がない

一般的に防蟻処理の効果は5〜10年と言われますが、築20年以上の住宅では、

  • 新築時の防蟻処理のみ
  • それ以降未実施
  • 記録なし
  • 施工内容不明

というケースが非常に多く、被害リスクが上がります。


⑧ 床下の点検口が無く、内部の状態が不明な家

点検口がないと、床下の湿気・配管・基礎・蟻道(ぎどう:シロアリのトンネル)を確認できません。
見えない=リスクを放置している状態と言えます。


⑨ 換気計画が古い住宅(昔の基準)

昔の住宅は気密性が低く、自然換気に頼っていました。しかし、

  • 部分的にしか風が通らない
  • 湿度ムラが生じやすい
  • 北側の部屋が冷える→結露が起きる

などが起こりやすく、シロアリにとっては住みやすい環境となります。


⑩ 新築でも油断している家(近年増加傾向)

意外ですが、新築住宅でもシロアリ被害はゼロではありません。

理由:

  • 土壌処理を行わない住宅が増えた
  • 基礎の通気性が悪い高断熱住宅
  • ウッドデッキや外構からの侵入
  • アメリカカンザイシロアリの増加で乾燥木材も狙われる

新築であっても「シロアリは来る」前提で考える必要があります。

4. シロアリが出るとどんな被害が起きるのか?

■木材の強度低下

柱・土台・梁が内部からスカスカになり、耐震性が落ちます。

■床の沈み・たわみ

床下の束柱が白蟻に食われると、床が沈んだり傾いたりします。

■ドア・窓の開閉不良

家の歪みが進行しているサインで、放置すると危険です。

■最悪の場合、大規模修繕に発展

床下全体の交換・浴室リフォーム・土台の取り替えなど、数十万円〜数百万円になることもあります。

5. シロアリ被害のサイン(気付けるポイント)

次のような様子があれば、すぐに点検が必要です。

  • 春〜初夏に羽アリが大量に飛んできた
  • 床がミシッと沈む感覚がある
  • 基礎部分に土の筋(蟻道)がある
  • 木材を叩くと空洞音
  • 壁紙が浮く・たわむ
  • 浴室の周りがカビやすい

特に蟻道は確実なシロアリの痕跡です。

6. 被害を防ぐための予防策

シロアリ被害は、「環境を整える」だけでも大きく下げることができます。


(1)床下の換気を改善する

  • 床下換気口を塞がない
  • 換気扇を設置する
  • 断熱材が落ちていないか確認
  • 床下の湿気を測定する

湿気対策は白蟻対策の中心となります。


(2)水回りのチェックを習慣にする

  • 給水・排水の微細な漏れ
  • シーリングの劣化
  • 浴室土台の腐食

これらは気付かれずに長期間続くことが多く、白蟻の温床になりやすい部分です。


(3)屋外の木材を放置しない

  • 古いウッドデッキの交換
  • 庭の不要木材撤去
  • 枕木の使用は控えるか防蟻材に替える

住宅の近くで木材が腐っていると、シロアリの“入口”になります。


(4)定期的な防蟻処理(5〜10年ごと)

専門業者による処理は効果的です。
費用は数万円〜が一般的で、被害に遭う前に行う方が圧倒的に経済的です。


(5)住宅診断(ホームインスペクション)を活用する

プロのインスペクターが床下・基礎・外回りを総合的に確認してくれるため、

  • シロアリリスク
  • 基礎の亀裂
  • 湿気環境
  • 換気状態
  • 過去の修繕跡

などを詳しく把握できます。
特に築10年以上の場合、5年に1度の点検が理想的です。

7. シロアリは“早期発見”がすべて

シロアリの被害は、
「早く見つければ軽い修繕で済む」
「遅れるほど費用が跳ね上がる」

という性質があります。

特に、被害が進行した場合は、

  • 土台交換
  • 床の張り替え

浴室のリフォーム
など大掛かりな工事が必要となり、家計への負担が大きくなります。

8. まとめ:シロアリの被害にあいやすい住宅は“特徴”でわかる

シロアリは見えないところで活動するため、住宅所有者にとっては厄介な存在ですが、
「どんな家が狙われやすいか」を知っておくことで、被害は大幅に防げます。


シロアリに狙われやすい住宅の主な特徴

  • 床下が湿気ている
  • 水回りの劣化や漏水がある
  • 基礎にひび割れがある
  • 庭に木材を放置している
  • 古い住宅で防蟻処理の記録がない
  • 換気が悪い
  • 新築でも油断している

そして重要なのは…

✔ こまめな点検
✔ 環境改善
✔ 定期的な防蟻処理 これらを組み合わせることで、住宅の寿命をしっかり守ることができます。


人気コラム

  • 壁のシミ・カビは自分で消せる!原因別の掃除方法と予防策を徹底解説

  • 【賃貸OK】壁のシミ・カビを自分で消す!原因別の正しい落とし方と予防策

  • 【保存版】住宅診断チェックリスト|プロが使う全項目を完全公開

住宅診断に関するご相談はお気軽にご連絡ください
住宅診断に関する
ご相談は、お気軽に
ご連絡ください
いますぐ
申し込む