基礎・床下の住宅診断 プロと一般の目では何が違う?

“見えない部分”だから判断力の差が家の寿命に直結する

家の中で「もっとも気づきにくく、もっとも重要」と言われる場所が 基礎・床下 です。
屋根や外壁は、汚れや色あせなど見た目で劣化を感じることがありますが、基礎や床下は普段まったく意識されず、異常が起きても気づくことが難しい部分です。

しかし、家の土台となる基礎や床下の状態は、住宅そのものの寿命を決める非常に大切な要素です。
劣化を放置すると、家全体の強度低下や構造的な問題へ発展する可能性があります。

そのため、プロによる ホームインスペクション(住宅診断) が特に重要な部分と言えます。
本コラムでは、
● 目視でできる基礎・床下のチェック
● プロは専門機材なしでも“何を見て判断するのか”
● プロのホームインスペクションがなぜ必要なのか
を、わかりやすく解説します。

基礎・床下は家の「見えない心臓部」


基礎と床下は家の“縁の下の力持ち”ですが、そこで起きる問題は深刻です。

基礎・床下で起こりやすいトラブル

  • ひび割れ
  • コンクリート欠け・剥離
  • シロアリ被害
  • 木材の腐朽
  • 湿気のこもり
  • カビ発生
  • 結露
  • 土台の傾き
  • 配管からの水漏れ

これらは放置すると家の寿命が一気に短くなります。

ところが、床下は普段の生活で見えないためトラブルに気付きにくく、
「気づいた時にはかなり悪化していた」というケースが非常に多いのです。
だからこそ、基礎・床下こそホームインスペクション(住宅診断)を行うべき場所なのです。

基礎・床下チェック(安全にできる範囲)

まずは、危険性がなく一般の方でも確認できる部分を紹介します。

※床下に潜ることは絶対におすすめしません。
※専門知識なしに狭い床下に入るのは危険です。


① 基礎コンクリートのひび割れ確認(外周のみ)

家の外周を歩きながら確認できます。

● 幅0.2mm以下の細いひび
● まっすぐ伸びるヘアクラック
● 表面だけの浅い割れ

これらは一般の方でも目視できます。


② 基礎表面の白い粉(エフロ)

コンクリートに白い粉状の結晶がついている現象です。


③ 基礎部分の汚れ・水の跡

雨水がかかって濡れた跡や、地面からの跳ね返りによる汚れなどを確認できます。


④ 床のきしみや傾きを感じる

室内からのサインです。

  • 歩くと床が沈む
  • 部屋によって床の傾きを感じる
  • 畳が浮いているように見える

これは床下に異常があるサインの可能性があります。


⑤ カビ臭・湿気が強い

玄関付近や押し入れからカビ臭がする場合、床下湿気の可能性があります。


【素人ができるレベルは“外から見える部分だけ”】

つまり一般の目では、

✔ 目に見えるひび
✔ 表面の汚れ
✔ カビ臭
✔ なんとなくの床の違和感 など「外側のわかりやすいサイン」しか判断できません。

チェックの限界:基礎・床下は“見えてもわからない”世界

基礎・床下こそ一般の目とプロの差が最大に出る部分です。
理由は次のとおりです。


① ひび割れの危険度が判断できない

ひび割れには種類があります。

  • 表面だけのヘアクラック
  • 幅0.3mmを超える構造クラック
  • 貫通しているひび
  • 基礎の角に入るひび
  • 床下側に広がるひび

一般の目では「ひびの有無」は分かっても、
● 危険なひびか
● 経過観察でよいひびか
● 補修が必要なひびか
を判断できません。


② 外側のひびと内側の状態は一致しない

外側のひびが浅くても、床下側では深く割れているケースがあります。

逆に、外側では大きく見えても内部の損傷は軽い場合もあります。

プロはその“違い”を読み取ります。


③ 床下の湿気レベルは外からでは判断できない

床下は通気性が悪く、湿気がこもりがちです。

湿気が多いと…

  • 木材の腐れ
  • カビ繁殖
  • シロアリ発生
  • 基礎内部の結露

など重大な問題が起きます。

しかし、外からはほとんど分かりません。


④ 配管や設備トラブルは日常の視点では気づけない

床下には

  • 給排水管
  • 漏水
  • 給湯器配管
  • 電気配線
  • 下地木材
  • 断熱材

など多くの設備があります。

少量の水漏れでも見逃すと大惨事になりますが、プロでないとなかなか気づけません。


⑤ シロアリの初期サインは非常にわかりにくい

シロアリの痕跡は非常に細かく、

  • 壁の隙間の土
  • 床下の蟻道
  • 床板のわずかな変色

など、日常の視点では気づきません。

プロのホームインスペクション(住宅診断):専門機材なしでもここまで違う

今回は「専門機材なし」という条件で解説します。
それでもプロは次のような視点で判断できます。


① ひび割れの種類・深さ・方向で原因を推測

プロはひびの

  • 太さ
  • 長さ
  • 深さ
  • 走り方(縦・横・ナナメ)
  • 位置
  • 基礎のどの角にあるか

を見て、

  • コンクリートの乾燥収縮
  • 地盤沈下
  • 地震の影響
  • 構造的な問題
  • 施工不良

を推測できます。


② コンクリート表面の色の違いで内部状態を判断

プロは、コンクリート表面のわずかな色ムラから

  • 水の侵入
  • 部分的な乾燥不良
  • 含水率の違い
  • 内部鉄筋の影響

を判断します。


③ 床の傾き・沈みから床下の状況を推測

専門器具がなくても、プロは感覚的に次を判断できます。

  • どの位置に力がかかっているか
  • 土台の沈み具合
  • 支持ポイントの問題

経験から“床の感触”だけで多くの情報を読み取れます。


④ 外周部から床下の湿気対策状況を推測

プロは外周を見ただけで

  • 換気口の数
  • 風の通り道
  • 湿気のこもりやすさ
  • 地形の影響
  • 植栽による湿気の発生

などを判断できます。


⑤ 基礎と外壁・屋根の関係から原因を推測

基礎だけで判断せず、家全体の状態をつなげて読み解くのがプロの力です。

例えば…

  • 外壁にひび → 雨が伝って基礎内部が湿気る
  • 屋根の軒の長さ → 雨の当たり方が基礎に影響
  • 雨どいの勾配 → 基礎付近に水たまり

など複数の症状をつなげて原因を特定します。

一般の目とプロの“判断の本質的な違い”

一般の目:
● 見えるものをそのまま見る
● 外側の変化に気づくだけ

プロ:
● 見えるものから“見えない部分”を推測する
● 家全体をセットで判断する
● 劣化の原因と進行度を読む
● 今後のリスクを予測する この差が家の寿命を大きく左右します。

基礎・床下の劣化を放置するとどうなる?

放置すると以下のリスクがあります。

  • 雨漏り(床下からの水侵入)
  • 木材腐朽
  • シロアリ被害
  • カビ発生
  • 家の傾き
  • 床の沈み
  • 耐震性の低下
  • 家の資産価値の低下

特にシロアリと木材腐れは気づいたときには手遅れになりやすく、
修繕費用が何倍にも跳ね上がります。

住宅診断を依頼するべきタイミング

以下のサインがあれば、早めに住宅診断を受けるべきです。

✔ 基礎にひび割れを見つけた
✔ 外壁にひびが多い
✔ 室内が湿っぽい
✔ 床のきしみが気になる
✔ 押し入れがカビ臭い
✔ 近隣でシロアリ被害があった
✔ 築10年以上点検していない
✔ 新築時に床下を見せてもらっていない 1つでも当てはまれば注意が必要です。

結論:見えない部分こそプロのホームインスペクションで家を守る

基礎・床下は家の土台であり、最も重要な場所です。
しかし、最も見えにくく、最も判断が難しい部分でもあります。

● プロは“見えない部分まで”読み取る

専門機材がなくても、プロの住宅診断は精度が大きく違います。

基礎・床下の健康 = 家全体の健康

基礎や床下に不安がある方、
今まで点検したことがない方は、
ぜひ一度 ホームインスペクション(住宅診断) を受けることをおすすめします。 早期に診断すれば、
・大きな修繕を避けられる
・家の寿命が延びる
・資産価値が保たれる
など多くのメリットがあります。

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