外壁のひび割れ、放置すると冬の凍結で悪化する?

見落とされがちな「外壁の小さなひび」
家の外壁をふと見たときに、細いひびを見つけることがあります。
「これくらいなら大丈夫だろう」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、その小さなひび割れが、冬場の凍結によって徐々に広がってしまうことがあります。
外壁のひび割れは、見た目の問題だけでなく、建物内部への水の侵入や構造の劣化につながる可能性があります。
特に寒冷地域や、冬の寒暖差が大きい地域では、「凍害(とうがい)」と呼ばれる現象によって被害が進行することがあります。
この記事では、外壁のひび割れが冬に悪化しやすい理由と、早期点検・診断の重要性について詳しく解説します。
外壁のひび割れとは?原因と種類を知る
外壁に発生するひび割れには、さまざまな原因があります。
建物の構造や使用している外壁材によっても、ひびの出方やリスクが異なります。
主なひび割れの種類
目地コーキングの割れ・剥がれ
サイディングボードの継ぎ目にあるコーキングが劣化すると、ひびや隙間が生じ、防水性が低下します。
ヘアークラック(微細なひび)
幅0.3mm未満の細いひびで、塗膜表面だけに発生するケースが多いです。
初期段階では見た目の変化だけで、防水機能がすぐに低下することは少ないと考えられます。
構造クラック(深いひび)
下地のモルタルやサイディングの継ぎ目、構造部分に達するような深いひび。
この場合、内部まで雨水が侵入し、素材の膨張や腐食を引き起こす可能性があります。
開口部まわりのひび
窓枠やドアまわりは、建物の揺れや温度変化によって負担がかかりやすく、ひび割れが発生しやすい箇所です。
目地コーキングの割れ・剥がれ
サイディングボードの継ぎ目にあるコーキングが劣化すると、ひびや隙間が生じ、防水性が低下します。
冬の凍結がひび割れを悪化させる理由
ひび割れが冬に進行しやすいのは、「凍結膨張」が関係しています。
外壁の表面や内部に入り込んだ水分が、気温の低下によって凍ると体積が増えます。
これを繰り返すうちに、ひびが徐々に広がっていくのです。
凍結膨張のメカニズム
- 雨水や結露が外壁のひびや隙間に浸入
- 気温が下がる夜間に内部の水が凍結
- 氷になると約9%ほど体積が増える
- 外壁内部の圧力が上昇し、ひびが拡大
- 日中に溶け、また夜に凍る
- 繰り返すうちに外壁材や塗膜が剥離
この現象が続くと、表面の塗装だけでなく、モルタル層やサイディング材そのものが脆くなる場合があります。
凍害が起こりやすい環境とは
以下のような条件が重なると、外壁の凍結による劣化が進みやすいと考えられます。
- 朝晩の気温差が大きい地域
- 冬場に降雪や霜が多い地域
- 日当たりが悪く、外壁が乾きにくい面(北側・西側)
- 風通しが悪く湿気がこもりやすい環境
- 経年劣化で塗膜が薄く、防水性が落ちている住宅
外壁が常に湿った状態だと、凍結と融解が繰り返されやすく、劣化が加速します。
放置するとどうなる?ひび割れが進行するサイン
最初は小さなひびでも、放置すると次のような症状が現れることがあります。
- ひびが広がる・深くなる
雨水や凍結の影響で、ひびが徐々に拡大します。 - 塗膜の剥がれや膨れ
内部の水分が膨張し、塗膜が浮き上がることがあります。 - 外壁表面の白化(エフロレッセンス)
水分が内部から蒸発する際、成分が白く浮き出る現象が見られます。 - 外壁材の欠けや剥落
モルタルやコンクリートが脆くなり、表面が欠け落ちるケースも。 - 室内の壁に雨染みやカビ
外から侵入した水分が室内に影響することがあります。
こうした症状が出ると、外観の問題だけでなく、建物の耐久性にも関わってきます。
自宅でできる外壁チェックのポイント
ご自身でも簡単な確認を行うことで、劣化の兆候に気づくことができます。
- 外壁の表面を手で触って白い粉がつく(チョーキング)
- 壁面に細いひびが見える
- コーキングが硬く、ひび割れや隙間がある
- 雨の日に壁の一部が濡れたまま乾きにくい
- 北側の壁に苔やカビが生えている
- 塗装が色あせてツヤがなくなっている
これらは、防水性能の低下や劣化のサインと考えられます。
気づいた時点で専門家による点検を依頼することで、悪化を防ぐことができます。
外壁材による違い:モルタルとサイディング
モルタル外壁の場合
モルタルはセメント・砂・水を混ぜて塗り固めた素材です。
見た目が重厚で高級感がありますが、乾燥や地震などでひびが入りやすい性質があります。
特に凍結による膨張圧で、モルタル表面の浮きや剥がれが起こりやすくなります。
サイディング外壁の場合
現在の住宅で多く採用されているのがサイディングボードです。
サイディング自体は割れにくい素材ですが、問題は目地部分のコーキング劣化。
ここが切れると雨水が内部に入り、ボード裏の防水シートや下地を傷める可能性があります。 いずれの外壁でも、「水の侵入を防ぐ仕組み」が働かなくなると劣化が早まります。
冬前に行いたいメンテナンス・点検
外壁の凍結劣化を防ぐためには、冬を迎える前の点検が有効です。
住宅診断では、目視だけでなく赤外線カメラなどを使って内部の湿気や温度変化を調べることも可能です。
点検で確認する主な項目
- 外壁表面のひび割れや欠け
- コーキングの劣化状態
- 塗膜の浮き・剥がれ
- ベランダや庇などの防水層の状態
- 雨樋や排水の詰まり
また、外壁だけでなく、屋根やベランダも合わせて確認することで、雨水の流れ全体を把握できます。
外壁診断のメリット
- 劣化の進行度を把握できる
- 補修の必要性を早期に判断できる
- 凍結や凍害による二次被害を防げる
- 建物全体の耐久性を維持しやすくなる
外壁の状態は、見た目だけでは判断が難しいことも多いため、専門的な診断を受けることで安心感が得られます。
凍結による被害を防ぐ生活上の工夫
外壁を乾燥させる環境を保つ
風通しをよくし、植物などを壁際に密集させないようにしましょう。
排水口や雨樋の清掃
詰まりがあると水が外壁を伝って染み込みやすくなります。
定期的な清掃
苔やカビは水分を保持しやすく、凍結の原因となるため早めに除去を。
放置するとどうなる?長期的なリスク
外壁のひびを放置していると、次第に次のようなリスクが広がる可能性があります。
- 構造木材や断熱材の湿気による劣化
- カビや腐朽菌の発生による空気環境の悪化
- 室内への雨漏り
- 修繕範囲が拡大し、工期や費用が増えるリスク
小さなひびのうちに原因を見つけておくことで、大がかりな補修を避けられる可能性があります。
小さなひびが「冬の凍結」で大きなダメージに
外壁のひび割れは、見た目の変化だけでなく、建物内部の防水・断熱性能にも影響する可能性があります。
特に冬は、凍結と融解を繰り返すことでひびが拡大しやすい季節です。
秋のうちに住宅診断や外壁点検を行い、早めに劣化を発見することで、凍害や雨漏りのリスクを減らすことができます。
住宅は定期的にチェックし、季節ごとの変化に合わせて手を加えることで、長く快適に暮らすことができます。
外壁のひびを「ただの見た目の問題」と捉えず、家全体の健康を守るサインとして意識しておくことが大切です。
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